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自作の小説等を置いていったり、読了した本の感想をほんの少し書いたりしていきます。
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一章、小さな祝祭・・・其の三


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 美鳥川は、さらさらと清らかな流れで絶えず水を運んでいる。その川の横にある土手に、僕らはいつものように、集まる。時折聞こえる水の跳ねる音が、耳に心地よい。
 土手は、割りと綺麗に舗装されているので、遊ぶには絶好の場所だ。固められた砂が、靴によく馴染んでいる。
「天地、いつ来るかなあ」
 茂木が呟く。
「まだほんの五分前に取りに行ったばっかりでしょ。まあ、もうすぐ来るわよ」
 波田が笑顔でそう答えた。……心なしか、彼女の顔色が悪い気がするが、気のせいだろうか。振舞いには何ら変わりは無い。
 僕ら六人は、とりあえず土手のへりに腰掛ける。そして天地を待った。
 五分程して、天地が戻って来る。手にはサッカーボールがあったが、やはりボロボロだ。いつかは誰かが買わないと、使い物にならなくなりそうだなと僕は思う。
「おまたせ」
「ああ、待った待った」
 佐倉が笑う。天地はボールを蹴り、佐倉がそれを受け取った。
「じゃあ、適当に分かれてやるか。ゴールはこの辺に線を引いて……」
 そして、いつもと変わらぬ、楽しいゲームが始まった。

         *

 男女入り乱れての試合だった訳だが、そこは僕らのことだ。極めて対等なゲームが繰り広げられ、一時間が過ぎた後、結局試合は二対二の引き分けで終わった。
「はあ、よくやったなああ……」
 芝生に身体を投げ出し、天地は伸びをした。他の何人かも、彼と同じように寝転んでいる。主に男子の方が。
 座りこんでいる野島と三ツ越も、少し息を切らせながら、寝転んでいる波田と笑い合う。一時間も走りまわって、こうやって笑い合えるとは、中々の体力だ。
「もうお昼だね……。たくさんはしゃいだなあ」
「そうですね。……叶田くんがメインな筈なんですけど、……こけちゃってましたね」
「それを言わないでよ、三ツ越」
 僕は頭を掻きながら笑う。
「……汗かいちゃったなあ。ううん、やっぱりお昼からにすればよかった」
「はは、そうだね。ほんと、無計画な誕生日会だ」
「それがいいんだよ」
 波田と野島の話に、佐倉がそう言った。それがいい、というか、それが僕ららしい、ということだな。
「じゃあ、昼食をとってから、また何するか決めようよ。……昼食は各自の家で食べて、それからまた俺の家に集まってくれ。そうだな……。今が十二時だから、一時半くらいがいいか」
 佐倉は、腕時計を見ながら言った。どうせなら、昼食も佐倉の家で食べたかったが、どうやら今日は両親が外出中らしい。仕事に行っている人の他にも、今日は何か用事があるらしく、佐倉の親以外も、結構な数の人達が何処かへ出かけているようだった。
 幸い僕の母親は家にいる。昼食は食べられるだろう。野島達はどうなのかな、と思いつつ、僕は身体を起こした。
「それじゃ、また後で」
「はーい」
 くつろいだそのままの体勢で、皆は手を振った。僕はそれを背に、自宅へと戻っていく。背中越しに、皆も立ち上がり始めるのが分かった。
 

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